粉体を移送していると、こんなお悩みはありませんか?
- 同じ原料なのに、製品の品質が安定しない
- 投入するたびに「濃い/薄い」「重い/軽い」感じがする
- 容器の底だけ粉が細かい(または粗い)
- 1袋目と2袋目で粉体の様子が違う
このような現象について、実は「混ざっていない」のではなく、
一度混ざった粉体が移送中に分かれてしまっているケースも少なくありません。
このように、粉体の品質にばらつきが出てしまう原因のひとつが、偏析(へんせき)です。
本記事では、粉体移送で偏析が起こる理由と、現場でできる対策をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 粉が均一にならない理由
- 偏析とは何か
- なぜ粉体移送中に起こりやすいのか
を、専門知識がなくても分かるように優しく解説しています。
偏析とは?
偏析とは、簡単に言うと…
粉の粒の大きさや重さがバラけて、偏ってしまう現象です。
たとえば、同じ粉に見えても中身は
- とても細かい粉(軽い)
- 少し粗い粉(重い)
- 粒(ペレット)
が混ざっていることがあります。
このとき、移送中に動き方が変わってしまい、結果として
- 細かい粉ばかり集まる
- 粗い粒ばかり残る
といった「偏り」が起きます。
これが偏析です。
偏析が起きると、何が困る?
偏析は見た目だけの問題ではありません。
実際の現場では、
- 原料の濃度がバラつく(薬品・化粧品・食品)
- 味・色・香りが安定しない(食品)
- 成形不良が増える(樹脂)
- 反応ムラが出る(化学)
など、製品品質のばらつきや歩留まり低下につながることがあります。
つまり偏析は、移送工程だけでなく、その後の製造全体に影響する可能性があるトラブルです。
なぜ粉体移送中に偏析が起こりやすいのか?【主に3つ】
偏析が起こる原因は色々ありますが、粉体移送において特に重要なのは次の3つです。
原因①:空気の流れで「軽い粒(細粉)」だけが先に動く
粉体移送は、空気(エア)や真空(バキューム)を使って粉を運びます。
このとき、粒の大きさや重さによって「空気に乗りやすさ」が変わります。
- 細かい粉(軽い):空気に乗って飛びやすい
- 粗い粒(重い):空気に乗りにくく、動きが遅い
結果として、移送中に
「軽い粉だけ先に進む、重い粒が遅れてついてくる」
という現象が起き、偏析につながります。
原因②:曲がり(エルボ)や段差で流れが乱れる
粉体移送では、配管の曲がり(エルボ)部分で流れが乱れやすくなります。
エルボでは粉がまっすぐ進もうとして、曲がりきれずに
- 外側の壁にぶつかる
- 速度が落ちる
- 一部が溜まる
といったことが起こりやすいです。
さらに、粒の大きさによって「ぶつかり方」「跳ね方」が違うため、
粒によって進むルートが分かれる→ 結果として偏りが出る
という状態になります。
原因③:移送中に粒が壊れて「細粉が増える」(破砕)
樹脂ペレットや一部の結晶性粉体では、移送中の衝突や摩擦で
- 粒が欠ける
- 割れる
- 粉が発生する
ことがあります。
すると、移送前よりも細かい粉(細粉)が増えるため
- 空気に乗りやすい成分が増える
- 偏析しやすい状態になる
結果として、偏析が悪化するケースがあります。
よくある質問(FAQ)
Q 偏析と混合不良は違う?
A 違います。
混合不良は「十分に混ざっていない」状態、偏析は「混ざっていたものが移送中に分かれてしまう」状態です。
Q 細かい粉が多いほど偏析しやすい?
A 一般的に、細かい粉が多いほど偏析は起こりやすくなります。
特に細粉と粗粉が混在している場合、空気に乗るスピードが違うため分級が起こりやすくなります。
Q 自分の現場で偏析が起きているか、どうやって分かる?
A 次のような症状があれば、偏析が起きている可能性があります。
- 容器の上と下で粉の粒の大きさが違う
- 投入するたびに製品の仕上がりが微妙に変わる
- 同じ原料なのにロットごとに品質が安定しない
見た目では分かりにくい場合も多いため、実際に移送状態を確認することが重要です。
まとめ:偏析(分級)は「空気・曲がり・破砕」で起こりやすい
粉体移送で起こる偏析(分級)は、
- 空気の流れによって粒の動きが分かれる
- 配管の曲がりや段差で流れが乱れる
- 移送中の衝突で粒が壊れ、細粉が増える
といった要因が重なって発生します。
偏析は粉体そのものの問題と思われがちですが、
実際には移送条件や設備の影響も大きいのが特徴です。
「同じ原料なのに品質が安定しない」
「投入するたびに仕上がりが変わる」
そんな場合は、粉体移送中に偏析が起きていないか、一度確認してみることをおすすめします。
粉体移送で偏析が起こるか事前に確認する方法
偏析の起こり方は、粉体の性質や配管条件、エア圧・吸引力などによって大きく変わります。
そのため、カタログスペックだけでは実際の状態を判断しにくいのが現実です。
エイチツーでは、お客様の粉体をお預かりし、実際の移送状態を確認できる粉体移送テストを行っています。
「まずは偏析が起こるかだけ知りたい」
そんな場合でも、お試し感覚でご利用いただけます。
偏析が起こる詳しいメカニズムや、設備面での対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
↓ 続き:偏析を防ぐための対策3つ ↓

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