~仕組みと特徴について~

工場や現場で使われているポンプにはさまざまな種類がありますが、
その中でも「ダイヤフラムポンプ」は、ちょっと面白い仕組みを持ったポンプです。
一言でいうと、ゴムの膜(ダイヤフラム)を動かして、液体や粉体を吸い込んで押し出すポンプです。
この“膜”は、まるでペコペコ動く風船のように、空気の力や機械の力で引っ張られたり押されたりします。
その動きによって、液体や粉体を吸い込み、押し出すという動作をくり返しているのです。
注射器を自動で動かしている、というとイメージしやすいのではないでしょうか。

ダイヤフラムポンプのしくみ
「ダイヤフラム(diaphragm)」とは、英語でしなやかな膜を意味する言葉です。
私たちの体にある「横隔膜」も英語で diaphragm といい、呼吸の際に上下して空気を出し入れする仕組みは、
ポンプと非常によく似ていますね。
ダイヤフラムポンプも、まさにそのように膜を上下に動かすことで、流体を出し入れしているんですよ。
そんな、ダイヤフラムポンプの基本の動きは、実はとってもシンプル。
- 膜が引っ張られる
→ 中が負圧(真空に近い状態)になり、流体(液体や粉体)が吸い込まれる - 膜が押される
→ 吸い込んだ流体が押し出され、出口から送り出される
この動きを左右交互にくり返すことで、連続して流体を送り出すことができます。
また、ポンプ内にはボール状の逆止弁(一方向にしか開かない弁)がついており、
流れが逆戻りすることはありません。

圧縮空気で動くから電気いらず
ダイヤフラムポンプの中には、エア駆動式と呼ばれるタイプがあり、モーターや電源を使わず、圧縮空気(コンプレッサーのエア)だけで動作します。
これにより、爆発の危険がある場所(防爆エリア)や、電源の取りづらい屋外・狭小スペースでも、安全かつ簡単に運用できます。
ダイヤフラムポンプのメリット
特徴 | 解説 |
---|---|
電源不要(エア駆動) | コンセントがなくても使える/防爆エリアでも安心 |
自吸ができる | 液面より高い位置からでも吸い上げ可能 |
ドライ運転OK | 空運転しても壊れにくく、安心して使える |
高粘度・粉体にも対応 | ペーストや粉など、幅広い流体を移送できる |
シンプル構造でメンテが楽 | 部品点数が少なく、分解・洗浄が簡単 |
どんなものを送れるの?
ダイヤフラムポンプは、以下のようにさまざまな流体を移送できます。
- 水、薬品、洗剤などの液体
- シロップ、クリームなどの粘性流体
- 粉末(砂糖、魚粉、珪藻土など)
- セメント、泥水、汚泥などのスラリー系流体
最近では、特に人手で運ぶのが大変な粉体の自動化にも多く導入されるようになっています。
まとめ
ダイヤフラムポンプは、「空気の力で吸って吐く」というとてもシンプルな仕組みながら、液体も粉体も幅広く扱える頼れるポンプです。
特に、安全性やメンテナンス性、電源不要といった利点が評価されており、さまざまな産業の現場で選ばれています。
ちなみに、エイチツーでは粉体に特化したダイヤフラムポンプならDMシリーズをラインナップしています。
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