粉工場で粉体を扱っていると、
- 大量に移送すると、なぜか均一にならない
- ロットごとに濃度や物性が変わる
- 容器の上と下で粒の大きさが違う
- 原料は同じなのに製品品質が安定しない
といったトラブルが起こることがあります。
こうした現象は、単なる混合不足ではなく、
粉体移送中に“成分が分かれてしまう”ことが原因になっているケースも少なくありません。
この現象は専門的には偏析(へんせき)と呼ばれます。
この記事でわかること
本記事では、
- 粉体が均一にならない代表的な理由
- 偏析(分級)を抑えるための設備面での対策ポイント
を、現場目線で整理します。
粉体が均一にならない原因は「偏析」かもしれません
偏析とは、粉体の粒の大きさや重さの違いによって、移送中に成分が分かれてしまう現象です。
空気や真空を使った移送では、軽い粉が先に流れ、重い粒が遅れてついてくるため、
投入ごと・ロットごとに品質ばらつきが発生します。
状況によって有効な対策が変わりますが、
現場で見直しやすく、効果が出やすいポイントは主に次の3つです。
偏析を抑えるための対策ポイント

対策①:搬送速度(エア圧・吸引力)を上げすぎない
粉体移送では、
「とりあえず強く吸えば流れる」
という設定になりがちですが、
搬送の力が強すぎると偏析は起こりやすくなります。
供給エアーや吸引力が過剰になると、
- 細粉だけが飛びすぎる
- 粗い粒が追いつかない
という状態になり、分級が進みます。
✓ポイント
必要以上にエア圧・吸引力を上げず、
粉体に合わせて“最小限で安定する条件”に調整することが重要です。
✔ポイント
必要以上にエア圧/吸引力を上げず、粉体に合わせて最適化することが重要です。
対策②:配管の曲がりを減らし、エルボの条件を見直す
偏析は、配管の曲がり(エルボ)や段差で流れが乱れることで進みやすくなります。
エルボ部では粉体が直進しようとするため、
- 外側の壁に衝突
- 減速
- 一部滞留
といった現象が起こります。
粒径によって衝突の仕方が変わるため、
流路が分かれ、結果として成分の偏りが生じます。
さらに衝突によって粒が欠けると細粉が増え、偏析が悪化するケースもあります。
✔ポイント
- エルボの数を減らす
- ロングエルボ(曲がりが緩やか)を使う
- 段差・縮径など「引っかかりポイント」を減らす
できるだけ直線的で、衝突の少ない配管が理想です。
対策③:移送方式を見直す(吸引/圧送の相性)
粉体の種類によっては、移送方式そのものが偏析に影響します。
例えば、
- 粉が軽く舞いやすい
- 衝突をできるだけ減らしたい
- 粒が壊れやすい
といった場合、
圧送よりも真空吸引(バキューム)方式の方が安定するケースもあります。
✔ポイント
粉体の性質に合わせて、
吸引/圧送の方式そのものを見直すのも有効な対策です。
よくある質問(FAQ)
Q 混合機を使っているのに、なぜ偏析が起こるのですか?
A 混合機で一度均一になっていても、移送工程や投入時の振動・落下・エア搬送によって再び分級が起こるケースがあります。
つまり「混合の問題」ではなく、「移送中の偏析」が原因になっていることも少なくありません。
Q 粉体の種類を変えなくても、設備側の調整だけで改善できますか?
A ケースによりますが、
エア圧・吸引力の調整や配管条件(エルボ・段差)の見直しだけで改善する例も多くあります。
まずは搬送条件と配管レイアウトから確認するのがおすすめです。
Q 偏析は目で見て分かりますか?
A はっきり分かる場合もありますが、多くは製品品質のばらつきとして現れるため、見た目だけでは判断しにくいことがほとんどです。
そのため、実際の粉体で移送状態を確認することが有効です。
まとめ:粉体が均一にならない時は「条件」と「設備」を疑う
粉体移送で偏析(分級)が起きやすい主な要因は、
- 搬送条件が強すぎる
- 配管の曲がり・段差で流れが乱れている
- 移送中の衝突で細粉が増えている
この3つです。
対策としては、
- エア圧・吸引力の最適化
- 配管設計の見直し
- 粉体に合った移送方式の検討
このあたりを順番に確認すると、原因を切り分けやすくなります。
粉体移送で偏析が起こるか事前に確認する方法
偏析の起こり方は、
- 粉体の粒度・比重・形状
- 配管条件
- 搬送条件
によって大きく変わります。
そのため、カタログスペックだけでは実際の挙動を判断しにくいのが現実です。
エイチツーでは、お客様の粉体をお預かりし、
実際の条件で移送状態を確認できる粉体移送テストを行っています。
- 偏析が起こるかどうか
- どの方式が合いそうか
を事前に確認できるため、
「まずは均一に移送できるか知りたい」
という段階でもご利用いただけます。
粉体移送でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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